
お風呂掃除は毎日の家事の中でも負担が大きい作業です。特に共働き世帯や子育て中のご家庭、高齢の方にとっては、かがんで浴槽を磨く作業は体力的にも時間的にも大変なもの。そんな中、注目を集めているのがTOTOの「おそうじ浴槽」です。
私は19年間リフォーム業界に携わってきましたが、この機能を導入されたお客様からは「お風呂掃除のストレスが大幅に減った」という喜びの声を数多くいただいています。ただし、導入前に知っておくべきポイントもあります。今回は、おそうじ浴槽の機能やメリット・デメリットを、実際のお客様の声も交えながら詳しく解説していきます。
TOTOの「おそうじ浴槽」とは

おそうじ浴槽は、ボタンひとつで浴槽内を自動で洗浄してくれる画期的な機能です。入浴後にリモコンのボタンを押すだけで、洗剤の噴射から排水、すすぎまでを約7分で完了させます。

この機能は、TOTOのシステムバス「サザナ」や「シンラ」に搭載されているオプション機能で、2024年8月には機能がさらに進化し、低水圧の環境でもポンプ内蔵型の新構造により、2階浴室でもしっかり洗浄できるようになりました。
おそうじ浴槽の仕組み
浴槽の内側には複数のノズルが設置されており、このノズルから洗剤を含んだお湯が噴射されます。専用の洗剤タンクに入れた洗剤が自動で適量噴射され、浴槽全体を洗浄。その後、きれいなお湯でしっかりとすすぎ、最後に排水まで自動で行います。
使用する洗剤は「花王 バスマジックリン(黄色)」の指定があり、1ヶ月に1回程度洗剤を補充するだけで使い続けることができます。汚れの程度に応じて「標準」「強力」「節約」の3つのコースが選べるのも便利なポイントです。
おそうじ浴槽のメリット

日々のお風呂掃除の負担が大幅に軽減される
最大のメリットは、やはり毎日の掃除の手間が省けることです。従来は入浴後にスポンジで浴槽を磨く必要がありましたが、おそうじ浴槽ならボタンを押すだけ。かがむ動作が不要になるため、腰痛や膝痛がある方、妊娠中の方、高齢の方にとっては特に大きなメリットとなります。
実際、お客様からは「毎日の掃除から解放されて、夜の時間に余裕ができた」「子育て中で忙しいので本当に助かっている」という声を多数いただいています。
手洗いの頻度が減る
自動洗浄を利用することで、手で洗う頻度は約2週間に1回程度でよくなります。しかも、日々の自動洗浄により汚れが蓄積しにくくなるため、手洗いする際も軽い掃除で済みます。汚れが定着する前に洗浄されるので、頑固な水垢や皮脂汚れに悩まされることが少なくなるのです。
清潔な状態を保ちやすい
毎日自動で洗浄することで、カビや雑菌の繁殖を抑制できます。特に梅雨時期や湿気の多い季節でも、浴槽内を清潔に保ちやすくなります。私の経験上、定期的に自動洗浄を使っているご家庭は、使っていないご家庭と比較して明らかに浴槽の清潔度が高い状態を維持できています。
おそうじ浴槽のデメリット

初期費用が高くなる
おそうじ浴槽はオプション機能のため、通常のシステムバスと比較して導入コストが高くなります。具体的な金額は工事内容や選択するシリーズによって異なりますが、標準仕様と比べて数十万円の追加費用が発生することを覚悟しておく必要があります。
長期的に見れば掃除の時間や労力を考えると十分に価値はありますが、初期投資としては決して安くはありません。予算との兼ね合いをしっかり検討することが大切です。
浴槽以外の掃除は必要
おそうじ浴槽という名称から「お風呂全体を自動で掃除してくれる」と誤解されがちですが、実際に自動洗浄されるのは浴槽の内側と排水口周辺のみです。床や壁、カウンター、鏡、シャワーヘッドなどは従来通り手で掃除する必要があります。
私がお客様にご説明する際は、必ずこの点を明確にお伝えしています。「お風呂掃除がゼロになる」わけではなく、「浴槽掃除の負担が大幅に減る」と理解していただくことが重要です。
残り湯が使えない
自動洗浄を行うと、浴槽内のお湯は排水されてしまいます。そのため、残り湯を洗濯に利用している方にとってはデメリットとなります。水道代の節約を重視している場合は、自動洗浄を毎日使うのではなく、洗濯に残り湯を使わない日だけ使うという工夫も必要です。
ランニングコストがかかる
専用洗剤の購入費用や、わずかながら電気代・水道代が継続的に発生します。また、将来的に機能部品が故障した場合は修理費用もかかります。家電製品と同様に、メンテナンスコストがかかることを念頭に置いておきましょう。
おそうじ浴槽を導入する際の注意点

洗剤は必ず指定のものを使用する
TOTOが指定する「花王 バスマジックリン(黄色)」以外の洗剤を使用すると、洗浄不良や機械の故障の原因になります。価格を抑えたいからと他の洗剤を使うことは避けてください。機器の保証対象外になる可能性もあります。
定期的な手洗いは必要
2週間に1回程度は、自分の目で確認しながら手洗いすることをおすすめします。自動洗浄では落としきれない細かな汚れや、エプロン内部、排水口の奥などは定期的なメンテナンスが必要です。完全に掃除が不要になるわけではないことを理解しておきましょう。
生活スタイルに合っているか検討する
毎日入浴する習慣があり、お風呂掃除の負担を感じている方には非常に有効な機能です。一方、週に数回しか入浴しない方や、残り湯の再利用を重視される方には、コストパフォーマンスが合わない可能性があります。ご自身の生活スタイルと照らし合わせて検討することが大切です。
おそうじ浴槽を最大限活用するために
実際に私がお客様にアドバイスしているのは、おそうじ浴槽を導入する際は「床ワイパー洗浄」とのセット導入も検討していただくことです。床ワイパー洗浄はTOTO独自の機能で、浴室の床も自動で洗浄してくれます。浴槽と床の両方が自動洗浄されれば、お風呂掃除の負担は劇的に軽減されます。
また、TOTOのお風呂には「ほっカラリ床」という床材が標準装備されていることが多く、この床は水はけがよく汚れが溜まりにくい構造になっています。おそうじ浴槽とこれらの機能を組み合わせることで、より効果的に清潔な浴室を維持できます。
まとめ:リフォーム会社選びが成功の鍵
TOTOのおそうじ浴槽は、日々のお風呂掃除の負担を大きく軽減してくれる便利な機能です。特に忙しい方や体力的に掃除が負担になっている方にとっては、生活の質を向上させる優れた選択肢となります。
ただし、初期費用や使用条件、メンテナンスの必要性など、デメリットも理解した上で導入を検討することが重要です。実際に19年間リフォームに携わってきた経験から申し上げると、お客様のライフスタイルや予算、優先順位をしっかりヒアリングし、最適な提案をしてくれる施工会社を選ぶことが何より大切です。
リフォームの成否は、商品選びだけでなく施工会社の質によって大きく左右されます。TOTOの製品知識が豊富で、実際の施工実績が多く、アフターフォローまでしっかりしている会社を選ぶことをおすすめします。
そのためには、複数の施工会社から見積もりを取り、提案内容や担当者の対応を比較検討することが不可欠です。最近では、お風呂リフォームの一括見積サイトを利用することで、複数社から効率的に見積もりを取得でき、比較検討がしやすくなっています。信頼できる施工会社を見つけることが、満足度の高いリフォームを実現する第一歩となるでしょう。










