はじめに
リフォーム業界で19年間、数多くの浴室リフォームを手がけてきた二級建築士として、今回はタカラスタンダードの革新的な収納システム「マルチラック」について詳しく解説いたします。
近年、浴室の収納に関するお客様からのご相談が急増しています。従来の固定式収納では、家族構成の変化や生活スタイルの変化に対応できないという声を多く聞きます。そんな中、タカラスタンダードが提案する「どこでもラック」シリーズのマルチラックは、これらの課題を解決する画期的なソリューションとして注目を集めています。

マルチラックとは?タカラスタンダード独自のマグネット収納システム

基本概要
マルチラック(正式名称:どこでもラック マルチラック)は、タカラスタンダードが誇るホーロークリーンパネルの特性を活かした、マグネット式の収納アイテムです。工具不要で簡単に取り付けでき、必要に応じて位置を変更できる柔軟性が最大の特徴です。
製品ラインナップ
マルチラックには以下のような豊富なバリエーションがあります:
基本モデル
- マルチラック単体:W150×D60×H120mm(最大荷重1kg)- ¥1,900
- マルチラック+フック:W150×D60×H140mm(最大荷重1kg)- ¥3,000
- マルチラック+タオルハンガー:W350×D60×H120mm(最大荷重1.5kg)- ¥3,900
組み合わせモデル
- マルチラック+フック+タオルハンガー:W350×D60×H140mm(最大荷重1.5kg)- ¥5,000
ホーロークリーンパネルの技術的優位性

ホーロー素材の特性
建築士として特に注目すべきは、タカラスタンダードのホーロー技術です。ホーローは鉄板にガラス質の釉薬を高温で焼き付けたもので、以下の優れた特性を持ちます:
物理的特性
- 耐熱性:200℃までの高温に耐える
- 耐久性:表面硬度が高く、傷がつきにくい
- 耐水性:ガラス質表面により水の浸透を防ぐ
機能的優位性
- 防カビ性:表面が滑らかで汚れが付着しにくい
- マグネット対応:鉄板ベースによりマグネットが確実に吸着
- 清掃性:中性洗剤とスポンジで簡単清掃
マルチラックの設計上の技術的メリット

1. ダブル固定システム
従来のマグネット収納の弱点だった「ズレ」や「落下」を解決するため、マルチラックはマグネットと吸盤のダブル固定システムを採用しています。これにより、風呂イス(最大1.5kg)でも安定して支持できます。
2. モジュラー設計による拡張性
建築設計の観点から見ると、マルチラックの最も優れた点はモジュラー設計です。基本ユニットに各種オプション(フック、タオルハンガー等)を組み合わせることで、個々の住宅事情に最適化できます。
3. 荷重分散設計
各サイズごとに適切な最大荷重が設定されており、構造計算に基づいた安全設計となっています:
- Sサイズ(150mm幅):最大荷重1kg
- Lサイズ(350mm幅):最大荷重1.5kg
競合他社製品との比較分析
他メーカーとの収納システム比較
メーカー | 収納方式 | 取付方法 | 移動可能性 | 清掃性 |
---|---|---|---|---|
タカラスタンダード | マグネット式 | 工具不要 | ◎ | ◎ |
TOTO | 固定式棚 | ネジ固定 | × | ○ |
LIXIL | フック式 | ネジ固定 | × | ○ |
パナソニック | 埋込式 | 施工時設置 | × | △ |
二級建築士としての評価
19年の経験から申し上げると、可変性と清掃性を両立している点で、タカラスタンダードのマルチラックは他社を大きく凌駕しています。特に、リフォーム後の住まい方の変化に対応できる点は、長期的な住宅価値の維持に大きく貢献します。
実際の使用シーンと専門的な活用提案
ライフステージ別活用法
新婚期
- マルチラック単体でシンプルに小物収納
- 必要最小限の構成でコスト効率良く
子育て期
- マルチラック+フックで子供用品を整理
- 高さ調整により子供の成長に対応
シニア期
- タオルハンガー組み合わせで立ち上がり補助
- 軽量アイテムの収納で安全性向上
プロが推奨する設置パターン
建築士として推奨する設置パターンをご紹介します:
基本パターン(1.6m×1.6m浴室)
- 洗い場側:マルチラック+シャンプーフック
- 浴槽側:タオルハンガーL
- 入口側:風呂イスフック
拡張パターン(1.8m×1.8m以上浴室)
- 複数のマルチラックを高さ違いで設置
- 家族各自の専用エリア確保
- 季節用品の収納スペース確保
施工・メンテナンスの専門的見解
施工時の注意点
二級建築士として、以下の点にご注意いただきたいと思います:
設置前チェック項目
- ホーロークリーンパネルの平滑性確認
- 磁力確認テスト(メーカー推奨)
- 荷重計算の実施
長期使用のための施工配慮
- 定期的な吸着力チェック(年2回推奨)
- 清掃時の取り外し方法の説明
- 交換用部品の入手方法確認
メンテナンス性の評価
優秀な点
- 取り外し清掃が容易
- 部品交換が単独で可能
- 特殊工具不要
注意すべき点
- マグネット部分の汚れ蓄積防止
- 吸盤の定期交換(5年目安)
導入コストと投資効果分析
初期投資
マルチラックの導入コストは以下の通りです:
基本セット(推奨構成)
- マルチラック:¥1,900
- タオルハンガーL:¥2,800
- シャンプーフック:¥2,100
- 合計:¥6,800
長期的な投資効果
建築士の視点から見た投資効果:
経済効果
- 収納用品の買い替え不要
- 清掃時間の短縮(年間約20時間)
- リフォーム時の付加価値向上
生活質向上効果
- 家族構成変化への対応性
- 清掃負担の軽減
- 浴室空間の有効活用
選定時の注意点とプロのアドバイス
事前確認事項
マルチラック導入を検討される際は、以下をご確認ください:
必須確認項目
- 既設浴室の材質確認:ホーロークリーンパネル対応必須
- 荷重計画:使用予定アイテムの重量確認
- 家族構成:現在と将来の使用パターン想定
避けるべき使用方法
危険な使用例
- 最大荷重超過(特に風呂イスフック1.5kg厳守)
- 尖った物の長期載置
- 化学洗剤での過度な清掃
今後の展望と技術的発展
業界トレンドからの考察
住宅業界のトレンドとして、カスタマイザブルでメンテナンス性の高い設備への需要が高まっています。マルチラックはこの流れを先取りした商品と評価できます。
技術的発展の可能性
今後期待される改良点:
- より強力なマグネット開発
- IoT連携機能(使用状況モニタリング)
- 抗菌・防カビ機能の向上
まとめ:リフォーム業界のプロが推奨する理由
19年間のリフォーム業界経験を通じて、タカラスタンダードのマルチラックは以下の理由で強く推奨できる商品です:
推奨理由トップ5
- 技術的優位性:ホーロー×マグネットの確実な組み合わせ
- 柔軟性:ライフステージ変化への対応力
- 清掃性:日常メンテナンスの負担軽減
- 安全性:適切な荷重設計と安全機能
- 投資効果:長期使用における経済合理性
最後に
浴室リフォームは、住まいの快適性向上において重要な投資です。マルチラックのようなフレキシブルな収納システムの導入により、単なる設備更新を超えた「住み心地の向上」を実現できます。
ご検討の際は、必ずタカラスタンダードのショールームで実物をご確認いただき、ご家族の生活パターンに最適な組み合わせをご相談されることをお勧めいたします。
執筆者プロフィール リフォーム業界歴19年・二級建築士 住宅設備機器の選定から施工管理まで、累計1,000件以上のリフォームプロジェクトを担当。特に水回りリフォームを専門とし、顧客満足度向上と長期的な住宅価値維持を重視した提案を行っている。