
お風呂のふたは毎日使うものですが、重くて開け閉めが大変だと感じたことはありませんか。特に女性や高齢の方、お子様にとっては、従来の風呂ふたは扱いにくく、時には危険を伴うこともあります。そんな悩みを解決してくれるのが、TOTOの「ラクかるふろふた」です。
私は19年間リフォーム業界に携わってきましたが、このふろふたを導入されたお客様からは「こんなに軽いとは思わなかった」「毎日のストレスが減った」という驚きの声を数多くいただいています。今回は、ラクかるふろふたの特徴やメリット・デメリットを、実際の使用感も交えながら詳しく解説していきます。
TOTOの「ラクかるふろふた」とは

ラクかるふろふたは、従来の風呂ふたの約半分の重さを実現した、TOTOの画期的な断熱ふろふたです。名前の通り「ラクに持てる軽いふろふた」として開発され、2017年には「第11回キッズデザイン賞」を受賞しています。
この風呂ふたは、TOTOのシステムバス「サザナ」や「シンラ」に標準またはオプションで搭載されており、子どもから高齢の方まで、誰もが安全に快適に使える「人に優しい軽さ」を実現しています。
驚きの軽さを実現
従来の風呂ふたは1枚あたり約1.8kg、2枚組で3.6kg以上の重さがありました。これは他メーカーと比較してもかなり重い部類で、毎日の開け閉めや掃除の際に負担となっていました。
しかし、ラクかるふろふたは1枚あたりわずか約900gという軽さを実現。2枚組でも約1.8kgと、従来品の半分の重さになっています。プールで使うビート板のような軽さで、片手でも楽々持ち上げることができます。
軽くても断熱性能は維持
軽量化を実現しながらも、断熱性能は従来品と変わりません。発泡ポリプロピレンという特殊な素材を使用することで、軽さと断熱性の両立を可能にしています。
魔法びん浴槽と組み合わせて使用することで、4時間後の温度低下を2.5℃以内に抑える優れた保温効果を発揮します。追い焚きの回数が減るため、光熱費の節約にもつながります。
ラクかるふろふたのメリット

誰でも安全に扱える
最大のメリットは、やはりその軽さです。女性や高齢の方でも片手で持ち上げられるため、開け閉めの際の負担が大幅に軽減されます。お子様でも安全に扱えるため、家族全員が気軽にお風呂のふたを開閉できるようになります。
従来の重い風呂ふたは、落とすと怪我をする危険性がありましたが、ラクかるふろふたなら万が一落としてしまっても、その軽さから大きな事故につながりにくくなっています。
掃除が楽になる
風呂ふたの掃除は定期的に必要ですが、重いふただと持ち上げたり裏返したりするのが大変でした。ラクかるふろふたなら軽いので、片手で持ちながら洗うことができます。
また、壁掛け収納ができるため、ふたを立てかけておく場所に困ることもありません。従来のジャバラ式のふたのように、置き場所に困ったり倒れてきたりする心配がなく、浴室内がすっきりと片付きます。
壁掛け収納で安心・安全
ラクかるふろふたには「3点止め」と「1点止め」の2つのタイプがあります。3点止めは壁に3箇所のフックで固定できるため、より安定した収納が可能です。
軽量なので壁掛けができ、床に置いておく必要がありません。これにより、浴室内の動線の邪魔にならず、転倒のリスクも減少します。私がお客様にご説明する際、この壁掛け収納の便利さは必ず好評をいただくポイントです。
光熱費の節約につながる
優れた断熱性能により、お湯の温度を長時間保つことができます。魔法びん浴槽と組み合わせることで、5時間後でも温度低下が2.5℃以内に抑えられるため、家族の入浴時間がバラバラでも追い焚きの回数を減らせます。
帰宅時間が異なるご家庭や、お子様を先に入浴させるご家庭では、特にこの保温効果のメリットを実感できるでしょう。
ラクかるふろふたのデメリット

軽すぎて風で動くことがある
軽いことがメリットである一方、あまりに軽いため換気扇の風や窓からの風で動いてしまうことがあります。特に窓を開けて換気している際は、ふたが浮いたりずれたりする可能性があります。
ただし、壁掛け収納を利用すればこの問題は解決できます。使用後はしっかりとフックに掛けておくことで、風による移動を防ぐことができます。
3点止めはオプション料金がかかる
より安定した壁掛け収納ができる3点止めタイプは、基本仕様の1点止めと比較してオプション料金が発生します。機能性を重視するなら3点止めがおすすめですが、予算との兼ね合いを検討する必要があります。
実際、私のお客様の多くは3点止めを選択されており、「安定感があって良かった」という声をいただいています。
従来品より耐久性に不安を感じる方も
軽量化されたことで、「薄くて壊れやすいのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、実際には特殊な発泡ポリプロピレン素材を使用しており、適切に使用すれば長期間問題なく使用できます。
ただし、軽い分、乱暴に扱うと破損する可能性もあるため、丁寧に扱うことを心がける必要があります。
風呂ふた自体が不要な方には無駄
最近では、そもそも風呂ふたを使わないというご家庭も増えています。家族の入浴時間が近い場合や、毎日湯船のお湯を入れ替えるご家庭では、保温の必要性が低いためです。
TOTOサザナでは風呂ふたは標準オプションですが、不要な場合は外すことも可能です。ライフスタイルに合わせて検討しましょう。
ラクかるふろふたを選ぶ際のポイント

1点止めか3点止めか
基本仕様は1点止めで、オプションで3点止めを選ぶことができます。3点止めの方が安定性が高く、ふたが落ちにくくなります。予算に余裕があれば、3点止めを選択することをおすすめします。
19年の経験から申し上げると、長期的な使い勝手を考えると3点止めの方が満足度が高い傾向にあります。
魔法びん浴槽とセットで導入
ラクかるふろふたの断熱性能を最大限活かすには、魔法びん浴槽との組み合わせが理想的です。浴槽全体が断熱材で覆われた魔法びん浴槽と、断熱性能の高いふろふたを併用することで、驚くほどの保温効果が得られます。
お風呂リフォームを検討される際は、浴槽とふろふたをセットで考えることで、より快適で経済的なバスタイムが実現できます。
生活スタイルに合わせて判断
家族の入浴時間が近く、すぐに湯船のお湯を抜くご家庭では、風呂ふた自体が不要かもしれません。一方、入浴時間がバラバラなご家庭や、残り湯を洗濯に使うご家庭には、ラクかるふろふたは非常に有効です。
ご自身の生活スタイルを見直し、本当に必要かどうかを判断することが大切です。
実際の使用者の声

私のお客様からは、「本当に軽くて驚いた」「掃除が楽になった」「高齢の母でも簡単に扱える」という喜びの声を多数いただいています。
特に印象的だったのは、80代のお母様と同居されているお客様からの「母が一人でお風呂のふたを開け閉めできるようになって、自立した生活が続けられている」という言葉でした。ちょっとした工夫が、生活の質を大きく向上させることを実感した事例です。
一方で、「軽すぎて最初は戸惑った」「うっかり強く動かすと飛んでいきそう」という声もあります。軽さに慣れるまで少し時間がかかる方もいらっしゃるようです。
まとめ:リフォーム会社選びが成功の鍵
TOTOのラクかるふろふたは、従来の風呂ふたの約半分という驚異的な軽さを実現しながら、断熱性能もしっかり維持した優れた製品です。誰もが安全に扱える設計は、バリアフリーやユニバーサルデザインの観点からも高く評価されています。
毎日使うものだからこそ、使いやすさや安全性は重要です。特に高齢の方や小さなお子様がいるご家庭、女性だけで生活されているご家庭では、このラクかるふろふたのメリットを実感できるでしょう。
ただし、3点止めのオプション費用や、そもそも風呂ふたが必要かどうかなど、ご家庭のライフスタイルに合わせた検討が必要です。実際に19年間リフォームに携わってきた経験から申し上げると、お客様一人ひとりの生活パターンや家族構成、予算をしっかりヒアリングし、最適な提案をしてくれる施工会社を選ぶことが何より大切です。
お風呂リフォームの成否は、商品選びだけでなく施工会社の質によって大きく左右されます。TOTOの製品知識が豊富で、実際の施工実績が多く、アフターフォローまでしっかりしている会社を選ぶことをおすすめします。
複数の施工会社から見積もりを取り、提案内容や担当者の対応を比較検討することが不可欠です。最近では、お風呂リフォームの一括見積サイトを利用することで、複数社から効率的に見積もりを取得でき、比較検討がしやすくなっています。信頼できる施工会社を見つけることが、満足度の高いリフォームを実現する第一歩となるでしょう。










