
お風呂のリフォームを検討する際、浴槽選びは快適なバスタイムを実現する上で非常に重要なポイントです。
TOTOのシステムバス「サザナ」に搭載されている「ゆるリラ浴槽」は、人間工学に基づいた設計で注目を集めていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
リフォーム業界で19年間、数多くの浴室リフォームを手がけてきた二級建築士として、ゆるリラ浴槽の特徴や実際の使用感、選ぶ際の注意点について詳しく解説します。

TOTOのゆるリラ浴槽は、他のメーカーにはない特徴があります!
長湯が好きな方におすすめ!
ゆるリラ浴槽とは?人間工学が生んだ革新的な設計


ゆるリラ浴槽の最大の特徴は、「4点支持設計」にあります。
従来の浴槽が背中・お尻・足の3点で体を支えるのに対し、ゆるリラ浴槽は背中・お尻・足・首の4点で体を支える設計となっています。



ショールームで体験すると、浴槽の良さが分かりますよ!
この設計により、体にかかる圧力が分散され、自然とリラックスできる姿勢をとれるのです。
特に注目すべきは、浴槽と一体化したヘッドレストです。
首と頭をしっかりサポートする形状になっており、長時間の入浴でも疲れにくい構造になっています。
また、背中のS字カーブに沿った形状も特徴的です。背中全体を包み込むように設計されているため、接触面積が広がり、より安定した入浴姿勢を保つことができます。


ゆるリラ浴槽の3つの大きなメリット


1. 優れた保温性と節水効果
ゆるリラ浴槽は、従来の浴槽と比較して湯量を抑えられる設計になっています。実際の使用データでは、深さ70%で約158リットルの湯量で済むケースもあり、家計にも環境にも優しい仕様です。



節水効果はかなりありますよ!
さらに「魔法びん浴槽」と組み合わせることで、4時間後でも2.5度以内の温度低下に抑えられるため、追い炊きの回数も減らせます。これは光熱費の削減にも直結する重要なポイントです。
2. お手入れのしやすさ
一体型のヘッドレストは見た目の良さだけでなく、掃除のしやすさにも貢献しています。取り外し式のヘッドレストと違い、隙間に汚れが溜まることがなく、日々のお手入れが格段に楽になります。



肩湯のヘッドレストだと、掃除が面倒なので、ゆるリラ浴槽だと気にしないので、おすすめです!
実際に、私がリフォームを担当したお客様からも「掃除が楽になった」という声を多くいただいています。
3. 高齢者にも優しい設計
浴槽内のステップや突起により、浴槽への出入りがしやすく設計されています。



将来のことを考えて、安全性が高いお風呂にして良かった!
特に高齢者の方にとって、安全性が高いという点は大きなメリットです。滑りにくい表面と手すりを組み合わせることで、より安心して入浴できる環境を整えられます。


注意すべきデメリットと対策


サイズ選びは慎重に
ゆるリラ浴槽の最も多い後悔ポイントが「思ったより狭く感じる」という声です。



我が家は小さいお風呂だったので、ゆるリラ浴槽にしない方が良かったっぽい。
特に1216サイズ(内寸120cm×160cm)では、体格の大きな男性には窮屈に感じられることがあります。
身長が175cm以上の方や、ゆったりとした入浴を求める方には、1418サイズや1620サイズなど、より大きめのサイズをおすすめします。ショールームでの実物確認は必須ですが、できれば実際に入って体感することが重要です。
凹凸形状の清掃性
ゆるリラ浴槽は快適性を追求した結果、浴槽内にカーブや凹凸があります。この形状が水垢や汚れが溜まりやすいポイントになることも事実です。



凹凸のせいで、掃除がちょっと面倒かも。
対策としては、入浴後に軽くスポンジで洗う習慣をつけることです。毎日の簡単な掃除で、大がかりな掃除の頻度を減らすことができます。
入浴姿勢の固定化
リラックス姿勢を追求した設計のため、自由に姿勢を変えにくいという側面もあります。
半身浴を楽しみたい方や、座る位置を頻繁に変えたい方には、スクエア浴槽やワイド浴槽の方が向いているかもしれません。
ゆるリラ浴槽の価格帯と導入コスト


ゆるリラ浴槽の本体価格は、約11万円から15万円程度が目安です。
TOTOの同シリーズの「クレイドル浴槽」(約16万円~22万円)と比較すると、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
システムバス全体のリフォーム費用としては、サザナの場合:
- 1216サイズで約100万円~120万円
- 1616サイズで約110万円~130万円 が一般的な相場です(工事費込み)。
プロの視点:こんな方にゆるリラ浴槽がおすすめ
19年間のリフォーム経験から、ゆるリラ浴槽が特に適していると感じるのは以下のような方です:
- 長風呂が好きな方:リラックス姿勢が長時間でも疲れにくい
- 節水・光熱費削減を重視する方:湯量を抑えられる設計
- 掃除のしやすさを求める方:一体型ヘッドレストでお手入れ簡単
- 高齢者がいるご家庭:安全性の高い設計
- 予算を抑えたい方:クレイドル浴槽より価格が手頃
逆に、体格が大きい方や複数人での入浴を考えている方、自由に姿勢を変えたい方には、他の浴槽タイプも検討する価値があります。
ゆるリラ浴槽なら、浴槽の違いが分かる施工業者に依頼すべし!


ゆるリラ浴槽は、人間工学に基づいた優れた設計で、多くの方に快適なバスタイムを提供できる浴槽です。しかし、すべての人に完璧にフィットするわけではありません。
必ずショールームで実物を体感し、自分の体格や入浴スタイルに合うかを確認してください。



特にサイズ選びは、後悔を防ぐ最も重要なポイントです。
浴槽にこだわる方は、他のメーカーの浴槽の違いを説明できるプロのリフォームプランナーに依頼するのがおすすめです!
浴槽に詳しいリフォーム会社を選ぶなら、一括見積サイトを利用して、複数の業者に見積依頼をするのが1番です。
まずは、一括見積サイトに登録することからスタートしてみてはいかがでしょうか?












